日本版ISA? それよっか財形貯蓄ならぬ財形投資をば
日興AM 日本版ISAとは?
http://www.nikkoam.com/fund-academy/isa
自分は、1年くらい前に税制改正のページを見てこの制度が出来る事は知っており気にはなっていたのですが、20%税制に戻ると同時に実施とのことだったので「減税措置は延長するんでしょ? だからしばらく先だろうなぁ」と思ってました。が、税制は20%に戻ってしまうようです。あぁ、だから話題になっているのか (^-^;
日本版ISAの制度をまとめてみると、なんとなくこんな感じでしょうか。
・1年に1つずつ専用の非課税口座を作れる(3年間限定)
・1つの口座につき、上限100万円までの投資に対しての配当・譲渡益が非課税
・そのかわり、損失が出ても他との通算は無し(非課税口座内で完結される)
・売却したら枠は再利用不可(100万円買って、売った後にまた100万買ってもその投資利益は非課税とならない)
当初、自分は勘違いして「10年間の間であれば、上限100万円のうちでいつ購入してもその分は非課税の対象」と思っていたので、「10年で100万ってことは月に8千円(3年目になると3口座で約24,000円)の積立になるから丁度良い? いや、でも期限ギリギリの10年目に積立をしても、非課税の恩恵はほとんど受けられないよな...」と思っていたのですが、どうも違うようです。
口座開設した年のみに100万円の非課税枠が与えられ、翌年繰り越しは不可の様子。1年でMAXの枠まで購入となると積立だと月に約8万円購入する必要がある...なんだか積立用にはイマイチ。最長3年間の購入に対する投資にしか非課税措置がないってことですよね。
どちらかというと、今までに証券を保有していた人が100万円を限度に預け替えることで非課税の恩恵を最大限に享受できるように思えます。これからの積立に関しては3年しか出来ずイマイチです。更に、1年で100万円購入というのも、あまり時間分散出来ないし...購入時期を限定されると「限定された購入時期から10年後までに価格が上がるか?」 という「投機のゲーム」に参加することになるのですよね(配当による恩恵は受けられますが。分配金は...基準価格が下がるので微妙?)
更に、10年って若い人にとっては短いです。30年は欲しいです。(20代前半から積立、50代前半に子供の結婚資金・老後資金の一部とする...と言った用途が良い?)
そういえば、去年の税制改正で、「平成21年及び平成22年の間に購入した土地に対して5年以上長期保有した後に売ったら1,000万を限度として譲渡益を非課税とする」って制度がありました。
「平成21年及び平成22年に取得した土地等の長期譲渡所得の1,000万円特別控除制度の創設」
これ、土地の値上がりを前提とした非課税枠なので、「上がらんかったら意味ないよね。目先の非課税枠に気を取られて取引すると下落して酷いことになるのでは?」と思っていたのですが、感覚的にはこれと似たような制度のように思えました。(期間限定で買えば、将来の利益は非課税だ。利益が出るのならね、という意味で)
...と、よくよく考えてみると今見ている日本版ISAって中途半端な制度のように思えました。(長期積立投資家にとって3年は短い、一気に買う人にとっては下落時の損益通算が出来ない) だったら、1人数百万位を限度に、一生涯使える枠を用意してくれた方が嬉しいです。「その枠の中で勝手に決めて積立してね」って方が長期的に資産を保有しやすいと思います。
あぁ、それって「財形貯蓄」ならぬ、「財形投資」って扱いか。
うん、「財形投資」って言葉が自分の中でしっくりきます。一人あたりの非課税限度枠(財形貯蓄の限度額385万・550万のように)を決め、その中で期間制限等は無しで自由に積立させて貰える制度(財産形成であるためデイトレード等は×、再利用枠に制限を設ける) 財形貯蓄と組み合わせて積立保有し、40代?50代で老後を考え始めた頃に子供の結婚費用等、一部の資産として持っておける。なんて使い方が出来れば普及しやすいのでは?
なんだか、それだと確定拠出年金(401k)とあまり変わんなくなっちゃうかな。所得控除と60歳未満でも引き出しOKってのが違うくらいで。
自分は「貯蓄から投資へ」を絶対とは思っていないので「万人に証券投資が必須」とも思いませんが、「これから投資を始めたい」という人については、間口を広げて非課税枠を設けてあげれば良いと思います。
と、そんなわけで、今後の日本版ISAの動向には注目です。
- 関連記事
-
- 「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2010」投票しました。 (2010/11/11)
- パチンコと投資と期待値と (2010/11/05)
- 日本版ISA? それよっか財形貯蓄ならぬ財形投資をば (2010/10/30)
- 確定拠出年金からのお知らせ (2010/10/27)
- Twitter実況を見て参加気分に (2010/10/23)