不労所得への反感と反論
不労所得というのは、働かなくても入ってくる所得のことで、株の配当・売却益や不動産収入、ビジネスの収入等を指し、「不労所得は卑しい所得である」というのが一般的な人の概念のようです。働くことを由としてきた日本人(?)は「勤労所得」こそが正しい・良いと考えているようです。
で、まぁこのあたりの話は色々と本がでていますし、様々な主張がされているでしょう。僕も「不労所得万歳」というわけではなくて、所得について考える必要があるよね、と考えています(そして、勤労所得以外に所得があるのはアリではないか? と思っています)
「不労」という言葉が悪いイメージを与えているのでしょうか。自分が常に時間を費やしていないと駄目であるという考え方が強いように思います。僕としては、労働かどうかは置いといて、「その所得に、真っ当な付加価値があるか?」が重要だと思っています。
※ITなど、一度作り上げたシステムは、最初に作っちゃえば後は自動的に機械が処理してくれます。そこから生み出された価値は不労所得かと思います。残存価値が所得として与えられると思うのですが。
普通の人は「不労」=「違法紛い・阿漕なことをやって得た所得」という概念が強いのでしょうか、非常に拒否反応を示します。...とは言うものの「不労所得が駄目」だと信念を持って言っている人はほとんどいないと思っています。
「株式の配当金は不労所得」と言いいますが、「定期預金はお得だったら預ける」という人が多いのではないでしょうか。「不労所得」が駄目と言っている人からするとこれはどちらも駄目なはずです。定期預金は「自分で意図的に解約に縛りをつけることで、より多くの不労所得を得る金融商品」だからです。定期預金を批判する人はあまり見たことがありません。
要は大抵の「不労所得が駄目」と言っている人は、「元本割れするから駄目」「自分が知らないから駄目」「皆がやってないから駄目」のどれかなのだと思っています。国民年金だって、株式や債券で運用されているわけで(しかも全体の90%超も!)、そこを知ったら、GPIFに文句を言うのでしょうか。運用益分は返還するのでしょうか。
ただ、実際には悪いことをして金稼ぎをしていたり、インサイダー取引をしていたりする人もいるわけです。逆に、仕事を全くせずに給料を貰っている人も沢山いるわけです。「勤労か不労か?」ではなく「真っ当な付加価値を産み出しているか?」で評価すべきと思うのですが、いかがでしょうか?
※「じゃあ、株式の利益は何の付加価値なんだろうね?」と思うかもしれませんが、「企業の代わりに損失を被る可能性を背負う」のが付加価値ってことなのだと思ってます。