2011-06-13(21:59)
不透明な時代を見抜く「統計思考力」 神永 正博

神永 正博
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2009-04-15

過去のニュースや一般的に言われていることを統計データより検証しています。

初級編では、生データを元に検証すること、データを視覚化することを元に統計の読み取り方の基本と、イメージで作られた「常識」を検証していきます。若者の読書離れ、小泉改革での格差拡大について、連続する事件の関連性についてそれぞれ検証しています。一般的に言われていることが誤解であることがデータからわかります。

中級編では、統計の基本がわかります。平均・分散・標準偏差・正規分布...株式運用を行なっている人でアセットアロケーションを意識している人は大抵聞いたことのある単語が出てきます。株価はやはり統計と深い関わりがあるようで(研究されているようで)、本書の後半は株価に対するものが多かったです。

チャート分析による周期性は見かけだけの可能性がある。人は勝手にチャートを見ると法則性・周期性があるように感じてしまうとのこと。これは以前から聞いて知っていたので、株価によるチャート分析はアテにならない、という思いを自分でも持っています。

また、以前から知ってはいたのですが、株価・債券の価格は正規分布になって「いない」ことがまとめられています。べき分布と言われる、極端な値を取りやすい分布(暴騰・暴落が起きやすい分布)であることが述べられています。べき分布では分散・標準偏差が存在しないこともある分布のようです(P170) アセットアロケーションによりリスク・リターンを計算している人は、このことを押さえておいたほうが良いと思います。現代ポートフォリオ理論(MPT)は、平均・標準偏差があることが前提であるため、その前提が異なっているケースには必ずしも適用出来ないようです。個人投資家はこの点を押さえておくべきと思います。

本書内では、「安全な資産運用は幻想である」と述べており、その通りと思います。「経済現象では、正規分布で考えるととんでもない事態になることが、頻繁に(!)起こります。」とあります(P178)。「分散投資自体に意味が無い」ということではないと後で述べていますが、信頼しすぎるのも考えものであると言う事ですね。数字で出されたものより大きなリスクをとっていると考えたほうがよさそうです。

上級編ではデータの活用法が載っています。経済予測と絡めていますが、大儲けした投資家のやり方が必ずしも当たっているとは限らず、偶然の可能性も十分にあることを述べています。大儲けした人が偶然か必然かはわからない、というお話です。その偶然によって、多くの「儲け話」が出回っていることも事実です。多くの場合は後知恵によるものだという見解。最期、「経済現象では、そのような現象がわたしたちの想像以上に頻繁に起きる」ということです。(そのような=予測できないこと) まさに何が起こるかわからないということですね。

統計の本なのですが、投資関連のお話があり、所感もそれに対するものが多くなってしまいました...個人投資家の方(特にインデックス投資でリスク・リターンを細かく計算して許容額を決めている人)は一度読んでみると良いかもしれません。
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